食欲と胃の許容量の不釣り合いなバランスのこと。
胃切除したことにおけるマイナートラブルは様々だが、ここ二週間で最も多いトラブルは、『食べ過ぎ』による気持ち悪さが多かった・・・llllll(-ω-;)llllll
どうしても、頭では分かっているはずなのに、空腹で本能を掻き立てられると、ついつい胃切除前の目線で、量をみてしまう(ノ_<)
好物になればなるほど自制がききづらく、小さくなった胃のキャパオーバーの食事をして、後から気持ち悪い・・・となってしまう。
つまりは、脳の満腹中枢が満たされるまでのタイムラグにいかに食欲という欲望を抑えて、脳が満足するまで堪えるかっていう自分との戦いってことなのだけど。
一番良いのは、時間をかけてゆっくり食べることと分かりつつ、なかなかライフスタイルに合わない。
なので、外食の際などは、美味しそうに盛られたままだと、どうしても『あと一口、あと一口』とつい食べてしまうので、
食事が運ばれてきたら、食事を最初から半分にとり分ける、もしくは線を引く事にした。
これにより、
『まだ、食べられそう。』
『まだ、食べたい。』という気持ちにブレーキがかけられようになった。
お店の雰囲気にもよるけれど、(リーズナブルでフランクな店限定w)事前に仕分けておけば、旦那に代わりに食べてもらえるので、残すことも減り、今までは大盛りを食べていた旦那も、並+私の半分で、ちょうど良くなった。
以前、レストランのキッチンでアルバイトしていたことがあったのだが、少しの食べ残しはともかく、たくさんの食べ残しを見かけると
『美味しくなかったのかな・・・』
『なんか、変だったのかな』と、少し残念かつ心配の念を抱いた記憶がある。
だから作り手の想いを考えると、あからさまな食べ残しは避けたい。
ただ、今後はきっとそういう場面も何度もあると思う。
事前に減らしてもらうとか、会計時に一言、美味しかったと伝えつつ残した事を謝るべきか・・・
もっとスマートに・・・。
うーん。
当時はこんな風に、食べたくても食べられない人がいると言うことも知らない無知だったけど、今なら、『事情があるのかな・・・』と思える。
たぶん、胃がんに限らず。
健康な人からは見えにくく、分かりづらい不思議な事や理解できない事も、当事者にしか分からない深刻な理由が世の中にはたくさんあるのだと思う。
もちろん病気のことだけではなく。
世の中の多くは、『一般的な』『普通は』『誰もが』なんて、狭い尺度で物事は考えてはならないのだと、今更ながら改めて、かつての自分の見解の浅さを恥じる。
自分が正しいと思って、正義や常識を振りかざして意見することより、相手の主張のその背景を考えられるような人間になれるように、視野を広げ、広い心を持ちたい。
手術後の検査結果
ようやく、手術で切除した胃の組織の検査結果がでた。
主治医からは、手術で切除した際に直接触ってみた感覚ではおそらく、リンパ節までは進行していないだろうとは言われてはいたものの、結果がでるまでは、完全に不安はかき消さない。
ドキドキして診察に向かう。
コロナウィルスによる緊急事態宣言が明けたからなのか、病院はすごく混んでいた。
予約時間が少し過ぎた頃からに呼ばれて診察を受ける。
病理検査の結果は、T2ということだった。
(T2:胃がんが筋層(しょうまく)までにとどまっている。)
『結果、ステージ1aですね、再発率は数%でしょう。』と医師が笑顔で告げた。
ひとつ気になってたことがある。
印環細胞癌の性質上、抗がん剤治療はしたほうがよいのかどうか。
これに関しては
『印環細胞癌であっても、浅く小さいものなら、抗がん剤治療はしなくて大丈夫でしょう。もちろん、これなら定期的に血液やお腹の検査はしばらく行いますので・・・。』
との事だった。
医師に、心から感謝のお礼をして部屋を出た。
すぐに、旦那に検査の結果を報告し、心配してくれた方々に報告する。
やっと・・・、やっと!!
この日が来た!
無事にこの結果を得られた!!
ステージ1a。
ほんと良かった。嬉しい。゚(゚´Д`゚)゚。
今まで、癌になる前は
『ステージ1aなら全然平気でしょ』と軽く考えていたけれど、この結果にたどり着くまでの精神的なダメージは、相当なものだった。
癌って、どんな小さいものでも、浅いものでも、怖いし、計り知れない不安の闇に堕ちる。
ひと段落できたとは言え、再発の可能性はゼロではないし、健康であったとしても、他の部位で新しい癌ならないとも限らない。
せめて、その可能性が低くなるように、生活の質を高めて、健康を意識して生きたいと思う。
改めて愛を誓う
はじめに、今回の更新は賛否両論あり、不快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、私、Vientoが胃がんを通して得た良いもの、悪いものは極力全て綴りたいと思います。(気分を害された方は申し訳ございません。)
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以前、手術前に旦那さんと二人の未来を語り合った際に二人のやりたいことに『タトゥー』があった。
↓
退院後に再確認するも、二人の意思は変わらず。
二人で調べて、良さそうなタトゥーの彫師さんに打ち合わせの予約をしてあったので、二人でデザインの打ち合わせに行った。
タトゥーに関しては、世の中のイメージはダーティーな印象が強く、決して褒められることではないと重々承知している。
ただ、若気の至りで彫るわけじゃない。
火照った感情に身を任せて、熱情に駆られて彫るわけじゃない。
誰にみせびらかすつもりもない。
この癌で知った、絶望や苦しみ、死への恐怖。
その底辺から差し込んだ、命の尊さ。限りある時間の儚さ。自分を取り巻く全ての理に感謝する心。旦那から伝わってくる熱く深く大きな愛情。
そして私の旦那への気持ちは、魂の半分を埋めるくらいのなくてはならない存在だって、身震いするくらい全身で感じた。
生活、仕事、絆、愛。
それまで、なんとなく生きていた頃には、色さえぼやけていた毎日が、鮮明に色鮮やかに感じた。
そういう意味でも、胃がんの宣告はそれまでの私をリセットして、生まれ変わったような、命を再生させる出来事になったのだ。
この出来事から生まれた全ての感情や考えを、刻み込みたい。
基本は同じデザインだけれど、少しずつ、各々の要望が加わる。
旦那は、デザインの中に私の名前の漢字の一文字を含んだものにしてくれるというのが、それが、年甲斐もなく嬉しかった。
なんだろう、結婚してるのに、また結婚するような気持ち。
なんていうのかな、結婚するときに交わす儀式的な誓いの言葉とは違う、魂の契り。そんな感じ。
わたしはあなたのために永く生きていたい。
あなたもわたしのために永く生きていて下さい。
ラーメン食べちゃいました。
職場復帰して、フルで五日間!がんばりました。
もうヘロヘロです( ;∀;)
もう、すっかり、冬の香りのする晩秋の夕暮れ。
あぁ、ラーメンが食べたいです。
麺類は危険と注意喚起されているけれど、今日はどうしてもラーメンが食べたい。
というわけで、帰宅して、旦那におねだり。
『ねー、今日は食べたいものがあるのです。』くねくねしておねだり。
旦那は、チラッと私の顔をみて
『だめ。』
『えー、まだなんも言ってないじゃん!!なんでダメなのよ〜、何かわかるの?』
『どうせ、【ぷう】だろ?』
*ぷうとは、わが家の隠語で『一風堂』のことを指します。かつて、わたしがその名前が出てこなくて、絞りだした言葉が『・・・ぷう』だった為以来『ぷう』になりました。
『え!!!なんで分かるの?わたしの心の窓、全開だった??』
流石、旦那様。
私のこと、ほんと分かってるw
『そろそろ、言い出すかなぁって思ってた。っつーか、ラーメンはダメなんでしょ??』
『大丈夫!カルボナーラをクリアした時のように、すぐに飲み込まないようにしてちゃんと噛むよ!』
と、旦那を説得し、夜のドライブデートを兼ねて一風堂へ行きました。
久しぶりの一風堂。(1ヶ月ぶり)
手術前は
(次はいつ、これるか分からないから、しばらくサヨナラだね・・・(ノ_<))
なんて、センチメンタルにお別れしたのだけど、まさか、こんな早くここに来れるとはw
私はたまご入りの白丸を注文。
お恥ずかしいことに、手術前は小盛り替え玉すらしていたくらい大好きだった。
待望のラーメンが目の前に置かれ、久しぶりの再会を喜ぶ。
ただ、前とは違う順番で、食べ始める。
大好きなたまごは1番最後に食べていたのだけれど、優先順位早めにいただく。
本当は、野菜も好きだけど、もう、麺に全力。
ひたすら噛む。
スープもごくごく飲みたいけど、必要な分だけちょっといただく。
麺に全力。
結局、麺とたまごは完食し、野菜やチャーシューまでは食べられなかったが、(チャーシューは旦那が引き受けてくれた。)わたし的には大満足+゚。*(*´∀`*)*。゚+
やっぱり、美味しい!!
久しぶりのラーメン、最高!
よく噛んだこともあり、食後は気持ち悪くならなかった。
最近食べ過ぎても気持ち悪くなるので、セーブが難しい。
大満足〜(・ω・ノノ゛☆パチパチ
職場復帰(術後26日目)
約4週間の長期休みを経て、ついに職場復帰をした。自宅療養はとても快適だった故に、快適なプチ主婦生活の終わりに少し寂しさも感じた 笑
あー、ついにあの喧騒の日々に戻るのかllllll(-ω-;)llllll
これが本音。
でも、休み中に約8年分の断捨離も出来たし、平日でしか出来ない手続きなんかも全てできて、心機一転+゚。*(*´∀`*)*。゚+
朝は少し早めに出勤した。
少し、恥ずかしさもありつつ、社内へ足を踏み入れた。
懐かしい顔ぶれ。いつもの光景だった。
『おはようございます。長いおやすみをいただき大変ご迷惑をお掛けしました』と頭を下げると、復職を喜んでくれた歓喜の言葉が一斉に社内に溢れた。
上司も同僚も笑顔で迎えてくれた。
少し照れながら、自分の席につき、
さて、何から手をつけようか。
というか、頭が回らない・・・笑
とりあえず、本社や取引先に復職のご挨拶の連絡を一通りし、手元にあるものから処理を始めつつ、私の代わりに処理してくれていた仕事を少しずつ引き継ぎ返しをしてもらった。
意外に、ブランクは感じなかった。
夕方は残業せず定時に帰社。
想定内の疲労で、ある意味ホッとしたものの、若干の不安は感じた。
胃切除すると疲れやすい体質になるということ。
胃でビタミンB12を吸収しづらくなる事で、疲れやすくなるそうだ。
ただでさえ、元気な時でさえ、日々の仕事量に疲労困憊していたのに、この先やっていけるのか。
正直、自信がない。
ただ、胃がんが発覚してから、入院、手術を経験し、療養期間中に、気持ちは生まれ変わったように穏やかになった。
周りの人や私の取り巻く環境には、感謝の気持ちで満たされている。
癌を宣告された時の絶望や不安と比べたら、目の前のいろんな苦しみや苛立ちは、全く苦しむことも苛立つ事も必要ないくらい小さいことばかりだっていうこと。
だから、この気持ちを忘れずにいたい。
目まぐるしい忙しさに負けないように。