外科医の診察
外科医の診断
予想外な診断に気持ちは高鳴る
昨日に引き続き、病院へ再訪問。
外科医の診察だ。
予約いっぱいのとこに割り込んでの予約なので、想像通りの待ち時間。
ようやく自分の順番になった。
O先生は、自分より一回り上くらいの年齢っぽい、経験や知識が豊富そうな印象だった。会話もハキハキとして自信に満ちた雰囲気だった。いわゆる一言でベテランっていう感じで安心した。
先生はこれまでの検査結果を全て確認して
『T先生から聞いているかもしれないですが、胃は摘出になりますね。切除部分は・・・そうだな上のここの部分は残せるかな。これから行う検査の結果次第では、1/4くらいは残せると思う。』
1/4残せる!?
『え、残せるんですか!?本当に!?』
思ってもいない結果に声のトーンが上がる。
『もう一回内視鏡をやってもらうんだけど、その結果次第だけどね、この位置あたりの患者さんを手術したことがあるんだけど、たぶんいけるでしょう』
胃の入り口部分の噴門部とすこしを残せると図に書いてくれた。
全摘出を覚悟したから、この診断では舞い上がるほど嬉しかった。
『もう全摘出と思ってたのでかなり嬉しいです!!』とテンション高めに言葉が溢れてきた。
『若年性の胃癌で全摘出は可哀想だ、確実とは言えないけど、安全性を確認できたら残しましょう』
それから手術の方法や予定を話し始めた。
『これから、内視鏡検査をやって、切り取る位置を確認します。あと念のため大腸の内視鏡もしましょう。お腹の超音波検査と、肺活量の検査、肺のCTをやってないのでこれも。あとは血液検査も・・・』
かなり検査をしたつもりだったけど、まだまだかぁ。先は長いなぁ・・・なんて思ってたら
『うまくいって10/13の週に手術です。入院は10/11かな。』
え、1ヶ月もない!?
まだうっすらと描いてたいた手術のビジョンが、急に近い将来の予定となって鮮明になった。
つぎの瞬間、コロナワクチンの接種日がよぎった。
『コロナワクチンの2回目の接種が10/8なのですが・・・副反応ギリギリかもです』
『たしかにギリギリですね・・・、副反応は人によるのでなんとも言えませんが、接種はしてください。』
『8/29が一回目だったので、もし前にずらせるならずらした方が良いですよね?(2回目は9/20から可能)』
『そうですね、ずらせたらその方が良いです。』
『帰ったら見てみます』
予約変更って出来るのかな・・・。
コロナワクチンの接種、そこだけが心配だ。
ともかく手術の予定日も見えてきた。急速に進んだ気がする。
この日、血液検査の肺のCTをそのまま受け、様々な検査の予定が一気に説明され、頭の中はパンクしそうだった。
急ピッチで進む手術までのスケジュール
会社に戻り、上司に報告。
これから手術までにたくさんの検査と手術の予定が決まった事で、社内の引き継ぎが急ピッチで行わなければならなく、会社の同僚にはかなりの負担をかけてしまう。
本当に申し訳ない。今は、こうなってしまったことに、ただただ申し訳ないと、力を借りる事しか出来ない。
この恩は必ず、仕事で返したい。
そして、いつか誰かが困った時は、先陣切って助力したい。
今回、胃癌が分かってから、人の温かい気持ちがこれほどまでに心強くて、救われるものなのかと痛いほど感じた。
今までの私は、表面は悟られないように取り繕っていたけれど根底には所詮、自分は自分、ひとはひと。と、割り切っていたドライな性格が、本当に情けなく、恥ずかしいものだったと、心の底から自分の生き方を恥じた。
胃癌によって、生き方、人付き合い、価値観、奉仕の心、全てが変化しつつある。