入院2日目:手術当日
手術は午前9時からなので、旦那には8:30に来る様に指示があった。
入院中、コロナウィルス対策のために、家族と会えるのもこの日以外だと、退院まで会えなくなるのだ。
だからといって、会話も見つからない。
犬が寂しがっている話を聞いたり、会社の人の話を聞くが、どれひとつも集中して耳に入ってこない。
怖かった。
もうそれだけ。
時間になり、手術室のある階へ移動する。
そこからはまるで、映画の様な光景が広がっていた。
厳重なセキュリティの扉、大掛かりな機材。普段は目にすることのない異空間、まるで宇宙船内かなんかかと思った。
そこをキョロキョロしながらも歩き、自分の手術が行われる扉の前まで向かう。
すでに、スタッフが勢揃いしていた。
私は指示に従い、腕の甲に点滴と背中の麻酔の準備をしてもらった。
そして
『では、眠くなるお薬をいれますね。・・・』
はっ!と目が覚めた。
無意識に時計を探す16:40分ごろ。
周りに沢山のスタッフがいた。
『さっちさん、終わりましたよ〜』
『今日は何年何月何日がわかりますか?』
さっち『うーんと、2021年10月13日です・・・』
『ここはどこか分かりますか?』
さっち『○県A市の〇〇総合病院内です。』
人混みの中で、旦那の姿が見えた。
手術後は会えないはずだった、旦那も一目会えた。
良かった。
とりあえず、無事に終わったんだ。
いろんなチューブやあちこちがどうなってるのか分からなくて怖い。
それから何度となく起きては眠り、起きては眠りを繰り返した。
痰が絡んだとき、冷や汗が出た。
痛い・・・。これはまずいやつだ。
迂闊に、咳ひとつもできない・・・。
夜中、熱が出ていたらしいけど、熱だからなのか術後だからなのか分からず、とにかく、体が不自由な状況で、ただ、朝を待つばかりだった。
あとはね、術後からずっと肩が痛くて痛くて堪らない。